ニーナ・ペトロキナは、エストニアを代表する女子シングルのフィギュアスケーターです。2025年と2026年のISU欧州フィギュアスケート選手権で優勝し、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは7位に入りました。
欧州王者という実績に加え、ジャンプ以外でも得点を積み上げる演技が魅力です。この記事では、経歴や連覇の内容、五輪での滑りを振り返りながら、2026-27シーズンの注目点を紹介します。情報は2026年10月25日時点のものです。
ニーナ・ペトロキナはエストニア女子の先頭に立つ存在
ペトロキナを知るうえでは、国際舞台で残した実績と、欠場を経て競技へ戻ってきた歩みの両方を押さえたいところです。
タリンを拠点に成長した2004年生まれ
ISUの選手略歴に掲載されている基本情報は、次のとおりです。
2004年8月14日生まれで、2026年10月25日時点では22歳です。五輪に初出場した2026年2月は21歳でした。
エストニアの首都タリン出身です。ISUの登録では、シーズン中もそれ以外の時期もタリンを練習拠点としています。
スケートを始めたのは2008年です。欧州王者になってから名前を知った方も多いかもしれませんが、幼いころから滑ってきたキャリアがあります。
GP初メダルと病気・けがからの復帰を経験
国際舞台で成績を伸ばすまでには、病気による欠場やけがからの復帰も経験しています。主な出来事を時系列で見てみましょう。
- 12020-21シーズンは、再生不良性貧血からの回復のため競技を欠場しました。この経緯は、ISUによるペトロキナの紹介に記されています。
- 22023年には、ISUグランプリシリーズ(GPシリーズ)のスケートアメリカで銅メダルを獲得しました。スケートアメリカ2023の公式結果では、総合194.55点で3位です。エストニア勢初のGPシリーズのメダルとなりました。
- 32025年10月にはアキレス腱の手術を受けました。ERRの手術・練習再開に関する取材記事では、本人とコーチが復帰へ向けた状況を語っています。
欧州2連覇は逆転優勝から両プログラム首位へ
ペトロキナの欧州2連覇は、2025年と2026年の優勝を指します。同じ金メダルでも、頂点に立つまでの展開には違いがありました。
2025年はフリーで逆転して初の欧州王者に
地元タリンで開かれた2025年大会は、エストニアのフィギュアスケートにとっても節目でした。2025年欧州選手権の公式結果から、勝ち方を確認できます。
ショートプログラム(SP)を終えた時点では首位ではありませんでした。フリーを前に、首位を追う立場にいました。
フリースケーティング(フリー)でトップに立ち、合計208.18点で優勝しました。SPとフリーを合わせた結果であることが、逆転の流れを理解するポイントです。
ISUは、この優勝を同国初のISU選手権タイトルとして紹介しています。ペトロキナ個人の初優勝と、国としての新たな実績が重なりました。
2026年はショートとフリーをそろえて連覇
翌年のシェフィールドでは、首位で折り返し、その座を守って優勝しました。2026年欧州選手権の公式結果には、SPとフリーの双方が1位と記録されています。
SPから首位に立ちました。前年の逆転優勝とは異なり、追われる立場でフリーを迎えています。
フリーでも1位となり、2年続けて頂点に立ちました。片方のプログラムだけで補ったのではなく、両方をそろえた優勝です。
ISUの欧州選手権レポートでは、初優勝には驚いた一方、今回は勝つつもりで来たという本人の言葉が紹介されています。手術後に戻った舞台で、再び結果を出しました。
演技の強みは3回転の完成度とジャンプ以外の得点
連覇を支えた演技は、ジャンプの回転数だけを追うと見落としが出てきます。ここでは2026年欧州選手権のフリーを例に見ていきましょう。
7本の3回転を組み合わせ、全要素で加点
2026年欧州選手権フリーの採点表を読むと、得点の積み上げ方が分かります。
3回転ルッツやフリップに加え、ループ、サルコウ、連続ジャンプのトウループを組み合わせています。この演技は、4回転やトリプルアクセルを入れずに高得点へつなげた例です。
採点表の出来栄え点(GOE)は、ジャンプだけでなくスピンやステップもすべてプラスでした。技を実施するだけで終わらず、その質によって得点を上乗せしたことが読み取れます。
3つのスピンとステップシークエンスは、いずれもレベル4です。ジャンプの成否と合わせて、こうした要素を取りこぼしていないかを見ると、演技の強みをつかみやすくなります。
「DUNE」の力強さを演技全体の評価につなげた
ISUの大会記事は、映画「DUNE/デューン」の音楽によるフリーを力強い演技として伝えています。採点上も、技術面と演技全体の評価の両方で得点しました。
| 得点の区分 | 2026年欧州選手権フリー | 読み取れること |
|---|---|---|
| 技術点 | 76.11点 | ジャンプ、スピン、ステップなどの要素で得点を積み上げた |
| 演技構成点 | 69.42点 | 構成、表現、スケート技術についても評価を受けた |
| フリー合計 | 145.53点 | 技術点と演技構成点を合わせた演技全体の結果 |
この内訳からは、ジャンプと演技全体のまとまりを両立したことが、優勝につながったと考えられます。映像ではジャンプの瞬間に加え、音楽の変化に合わせた動きや、要素の間の滑りにも目を向けると楽しめます。
五輪7位と世界選手権7位が示す世界での位置
欧州での連覇と、世界規模の大会での上位争いは、それぞれ別に見る必要があります。2026年は五輪とISU世界フィギュアスケート選手権の両方で7位でした。
初五輪はショート10位から総合7位へ
ミラノ・コルティナ2026の女子公式結果では、総合210.82点で7位です。各プログラムを見ると、フリーで順位を上げた過程が分かります。
| 区分 | 得点 | 順位 |
|---|---|---|
| SP | 69.63点 | 10位 |
| フリー | 141.19点 | 6位 |
| 総合 | 210.82点 | 7位 |
SPを終えた10位から、総合では3つ順位を上げました。五輪7位という結果だけでなく、フリー単独でも世界の強豪に交じって6位に入った点に、実力が表れています。
世界選手権でもフリーで順位を上げて7位
ISUの大会別成績一覧を見ると、世界の舞台では順位を上下させながら上位に進んできたことが分かります。
| ISU世界フィギュアスケート選手権の開催年 | 総合順位 |
|---|---|
| 2023年 | 9位 |
| 2024年 | 16位 |
| 2025年 | 8位 |
| 2026年 | 7位 |
2026年世界選手権の公式結果では、SP11位、フリー6位、合計202.27点でした。五輪と同様、フリーで総合順位を上げています。
五輪と世界選手権のどちらでもフリー6位でした。前半の順位だけで評価を決めず、後半にどこまで得点を伸ばすかも見たいところです。
両大会でSPが総合順位より下だったことから、前半の得点を伸ばせるかは今後の注目点といえます。ただし、SPの順位が上がれば同じだけ総合順位も上がると決まるわけではありません。
2026-27シーズンはショートの伸びと4回転挑戦に注目
今季は、従来の演技の完成度を高めながら、新たな難度にも挑んでいます。2026年9月の大会には、その両面が表れていました。
77.20点の自己ベストと4回転サルコウへの挑戦
ISUチャレンジャーシリーズのロンバルディアトロフィー2026では、合計210.41点で優勝しました。エストニアスケート連盟の大会報告は、SPの自己ベスト更新と、フリーでの新たな挑戦を伝えています。
五輪や世界選手権で注目点となったSPに、今季は得点の伸びが見られます。今後も同じように得点を伸ばせるかが、前半から上位争いに加わるための注目点です。
フリー単独では首位ではなかったものの、SPのリードを生かして総合優勝しました。2つのプログラムをそろえる重要性を示す結果です。
ロンバルディアトロフィー2026の採点表では、4回転サルコウに回転不足の判定が付いています。新たな難度に挑んだ試技ですが、成功には至っていません。
新プログラムは難度と演技のまとまりが注目点
今季のISU登録では、音楽も新たな組み合わせになっています。「DUNE」の印象が強い方は、作品が変わったことも意識すると、別の表現を楽しめそうです。
ロザリアの「Sexo, Violencia y Llantas」と「Berghain」が登録されています。前季の実績と比べるときも、得点と新しい作品の両方に目を向けたいところです。
「ゲーム・オブ・スローンズ」の楽曲が登録されています。新たな音楽の中で、ジャンプ以外の動きも含めてどのように演技をまとめるかが見どころです。
GPシリーズなどの次の試合では、難しい技を入れたかに加え、その挑戦を演技全体の得点へ結び付けられるかが気になります。演技後は次の順に確認すると、結果を整理しやすくなります。
- 1SPとフリーを分けて見て、どちらで得点を伸ばしたかを確認する。
- 2新しいジャンプは、実施したかだけでなく、回転の判定やGOEまで確認する。
- 3スピン、ステップ、演技構成点も合わせて見て、ジャンプ以外の強みを保てたかを振り返る。
まとめ|ペトロキナの実績と今季の注目点を押さえよう
ニーナ・ペトロキナは、欧州2連覇と五輪7位の実績を持つエストニア女子の中心的存在です。2026年欧州選手権では、3回転ジャンプの完成度と、スピンやステップを含む演技全体で得点を積み上げました。
2026-27シーズンは、SPの自己ベスト更新と4回転サルコウへの挑戦にも注目です。次の演技では、新技の成否とともにプログラム全体のまとまりも見ると、ペトロキナの成長をより具体的に楽しめるでしょう。


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