島田麻央の4回転は何がすごい?
跳ぶのは「4回転トーループ」
フィギュアスケートのジャンプは、回転数だけでなく踏み切り方によって種類が分かれます。「4回転」は一つの技の名前ではなく、トーループやサルコウなど、それぞれのジャンプを4回転で行うことを指します。
島田選手の4回転トーループは、採点表では「4T」と記されます。「4」が回転数、「T」がトーループの略です。トーループは、後ろ向きに滑りながら反対の足のトウを氷について跳び上がるジャンプです。
まずは「島田選手の4回転=4T」と覚えると、実況や採点表の内容を追いやすくなります。
4回転とトリプルアクセルを同じ演技に組み込める
島田選手の強みは、4Tに加えて3Aも演技に入れられることです。踏み切り方が異なる二つの大技を持つことで、ジャンプで得点を積み上げる選択肢が広がります。
具体例が、2023年12月8日のジュニアGPファイナル女子フリーです。公式採点表では、冒頭の3Aに続く4Tにも回転不足を示す記号が付かず、どちらにもプラスのGOE(出来栄え点)が付いています。
難しい技を予定表に入れるだけでは得点になりません。本番で実行し、出来栄えでも評価を受けた点に注目すると、二つの大技を持つ価値が分かります。
出典:ISU・2023年ジュニアGPファイナル女子フリー公式採点表(PDF)
回り切ることに加え、ジャンプの出来栄えも重要
ジャンプの得点には、技の種類などに応じた「基礎点」と、実施の質に応じた「GOE」が関係します。高難度の技でも、ミスによって得点が伸びない場合があります。
そのため、「4回転を跳んだ」という情報だけでは演技の評価を十分に読み取れません。回転の判定と出来栄えの両方を見ることで、得点につながった理由が見えてきます。
島田麻央が4回転を初成功させたのはいつ?
12歳だった2021年3月、京都府選手権で成功
島田選手の国内大会での4回転トーループ初成功は、2021年3月の京都府選手権です。当時は12歳、小学6年生でした。
日本スケート連盟の大会案内では、第68回京都府スケート選手権大会の開催日は2021年3月28日、会場は京都アクアリーナと確認できます。
さらに、同年10月の全日本ノービス選手権を伝えた日刊スポーツの記事では、3月の京都府選手権、10月の近畿選手権、全日本ノービス選手権と、4Tの成功を重ねた経過が紹介されています。一度の成功から、別の大会でも決められる技へとつなげていたことが分かります。
出典:日本スケート連盟・2020-2021シーズン京都府大会一覧、日刊スポーツ・2021年10月24日付の大会記事
国内大会と国際大会の記録は分けて読む
初成功の時期を調べるときには、「国内大会での成功」「国際大会での成功」「回転不足の指摘がない成功」を区別する必要があります。
例えば、2021年3月の記録は国内の京都府選手権でのものです。この記事で得点を紹介する2023年ジュニアGPファイナルは国際大会であり、開催時期も記録の場面も異なります。
また、転倒せずに降りたジャンプでも、回転について指摘されることがあります。ニュースの「着氷」という言葉だけで判断せず、どの大会で、どのような判定だったかまで確認すると、記録を正確に理解できます。
4回転トーループとトリプルアクセルの違いは?
回転数と踏み切り方が違う
4Tと3Aの違いは、回転数だけではありません。踏み切る向きと、トウを使うかどうかも異なります。
| 比較項目 | 4回転トーループ | トリプルアクセル |
|---|---|---|
| 採点表の略号 | 4T | 3A |
| 回転数 | 4回転 | 3回転半 |
| 踏み切りの向き | 後ろ向き | 前向き |
| ジャンプの分類 | トウジャンプ | エッジジャンプ |
| 踏み切りの特徴 | 反対の足のトウを氷について補助する | 前向きのアウトサイドエッジから跳ぶ |
トウとは、スケート靴の刃の先端にあるギザギザの部分です。一方、エッジは刃の縁を指します。
アクセルは前向きに踏み切り、後ろ向きに着氷するため、名前に対応する回転数に半回転が加わります。そのため、トリプルアクセルは「3回転」ではなく「3回転半」です。
出典:Skate Canada・技の定義(Axel/Toe Loop)
基礎点と実際の得点は同じではない
得点の違いは、実際の採点表で見ると分かりやすくなります。以下は、2023年ジュニアGPファイナル女子フリーでの島田選手の数値です。
| ジャンプ | 基礎点 | GOE | 技の得点 |
|---|---|---|---|
| トリプルアクセル(3A) | 8.00点 | +1.60点 | 9.60点 |
| 4回転トーループ(4T) | 9.50点 | +2.17点 | 11.67点 |
この演技では、2本の基礎点の合計17.50点に、GOEの合計3.77点が加わり、合わせて21.27点になりました。
大技を跳べることに加え、出来栄えによって得点を上積みできたことが読み取れます。ただし、この2本だけで順位が決まるわけではありません。ほかのジャンプ、スピン、ステップや、演技全体の評価も結果に関わります。
※数値は2023年12月の当該大会の実績です。2026-27シーズンのルール一覧を示すものではありません。
どちらが難しい?回転数だけでは比べられない
4Tは3Aより半回転多いジャンプです。ただし、この違いだけから「4Tを跳べれば3Aも簡単」と考えることはできません。踏み切る動作そのものが違うためです。
上の採点例では4Tの基礎点が高く設定されていますが、基礎点の比較と、各選手にとっての習得のしやすさは別の話です。島田選手については、異なる踏み切りを使う二つの技を、大会の演技で得点にできる点に注目するとよいでしょう。
島田麻央の4回転を見るときの注目ポイント
踏み切りと着氷後の滑りを見てみよう
初めて観戦するなら、空中で回転数を数えようとするよりも、ジャンプに入る直前を見てみましょう。前向きに踏み切るアクセルと、後ろ向きからトウを使うトーループでは、準備動作の見え方が異なります。
着氷した後も、すぐに視線を外さず、滑りがどう続くかを追ってみてください。大技を降りた後に次の動作へつながっていく様子まで見ると、ジャンプを演技の一部として楽しめます。
ただし、映像の角度や再生速度によって見え方は変わります。回転不足の有無を自己判断で断定せず、正式な採点表と合わせて確認するのがおすすめです。
採点表では「4T」「3A」と判定記号を確認
採点表を開いたら、まず技の欄で「4T」「3A」を探し、次に基礎点とGOEを見ます。これだけでも、「どんな技を跳び、どのくらい得点につながったか」が分かります。
例えば、2023年ジュニアGPファイナルの採点表の凡例では、「q」は4分の1回転不足での着氷、「<」は回転不足を示しています。同大会の島田選手の冒頭の3Aと4Tには、これらの記号がありません。
「転ばなかったか」に加えて「回転の指摘があったか」「GOEはプラスだったか」を確認すると、同じ4Tでも大会によって得点が異なる理由を理解しやすくなります。
大会での具体的な演技や結果も知りたい方は、島田麻央の木下グループ杯2026の結果をまとめた記事もご覧ください。
まとめ|島田麻央の4回転とトリプルアクセルに注目
島田麻央選手の4回転トーループは、12歳だった2021年3月の国内大会で初成功。その後の国際大会でも、トリプルアクセルとともに得点につなげてきました。
4Tと3Aは、回転数だけでなく、踏み切る向きや動作が異なるジャンプです。2023年ジュニアGPファイナルの採点表からは、両方の大技に加点を得た実績を確認できます。
次に演技を見るときは、ジャンプの種類、着氷後の滑り、採点表の評価に注目してみてください。大技が成功する瞬間に加えて、それが演技全体の中でどう生きているかも楽しめるはずです。
島田麻央のシニア転向については、シニアデビューの時期とGPシリーズ参戦を解説した記事で詳しく紹介しています。


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